Aruki Fujikawa

藤川有樹(2018年受講当時 ウィーン国立音楽大学)

 

今回の参加は、友人からこのセミナーの件を耳にして、決めました。

シェーファー先生にはスクリャービン5番ソナタ、ハイドンソナタHob.XVI-50、リゲティのエチュード13番をレッスンしていただきました。

 

スクリャービンのこのソナタは一見即興性もあるように見えて、その実とても緻密に構成されていて、それをどこまで見せるかというバランスが自分にとってはとても難しかったのですが、先生の指導のおかげで自分の中で一つの新しい方向性が見えたと思います。

 

またハイドンは本当に大好きな作曲家なのですが、先生のウィットに富んだレッスンで、もっともっと面白くしていきたいという一つの課題になったと思います。

 

リゲティエチュードですが、実は本当は別の曲を見ていただくつもりだったのですが、シェーファー先生が現代音楽にも精通しているというお話を聞いて、急遽見ていただきました。この曲は僕の大学の主催の演奏会などでも演奏してきているのですが、複雑な音楽の中で聴く人の耳を導いていく強い方向を示す方法を勉強できたと思います。

終了コンサートでは、ミュンヘンのスタインウェイハウスという素晴らしい会場で立ち見が出るほどの満員の元、とてもよい雰囲気で演奏できて、幸せでした。演奏後にお辞儀をするとき、このセミナーを支えてくださったたくさんの方々の顔が見えて、またいつかぜひここで演奏会をするために戻ってきたいなぁ、と思いました。

このセミナーでは聴講でも得たことがたくさんありました。参加者の方々のおかげでもあります。とくに同じホストファミリーで共にお世話になっていた方がラヴェルの夜のガスパールを弾いていて、そのレッスンがとても興味深く、またその方から曲にまつわるいろいろなお話を聞けたこともあり、セミナーから帰ってから取り組んでいます。

ホストファミリーのご家族には本当に感謝してもしきれません。僕にとって初めてのホストファミリー経験だったのですが、到着の翌日には晩御飯をご馳走いただき、終了コンサートも聴きにいらしてくださり、またその夜にはシャンパンを振る舞ってくださいました。とても温かいご家族で、本当にミュンヘンに来てよかったと思いました。

小長さんとアシスタントの朝島さん、本当にありがとうございました。すべての予定をきっちりとオーガナイズしていただき、しかもとてもフレンドリーに接していただきました。お二人に出会えて幸せものだと思いました。

次回からもさらに大勢の受講生たちが、このセミナーに参加していくことを願っています。